他の地域の学習センターでの開催があるのかは分かりませんが、私が通う【大阪学習センター】では、毎月複数の勉強会が開催されています。
学生と一般の方を対象に開催されており、参加費無料・単位付与なしで誰でも受講可能です。
1回90分、先生が用意したテーマに沿って、ディスカッションや質疑応答にて勉強していきます。
勉強会自体を知ったのが、2月中旬で、先日2回目の勉強会に参加してきました。
その勉強会の内容まとめです。
2回目の勉強会のテーマ「セルフコンパッション」
実験心理学が専門分野の先生による勉強会で、テーマは「セルフ・コンパッションと『あるがまま』」。
初めて聞いた言葉でしたが、とても面白い内容でした。
セルフコンパッションとは、もともとは仏教の概念「慈悲喜捨」からきているそうです。
自分自身を友人のように感じて、自分自信に対する慈悲の感情を持とうということ。
セルフ・コンパッションとは?
コンパッション(Compassion)は、「思いやり」や「慈悲」のこと。
自分に対して、思いやりを向けていこうよというのが、セルフ・コンパッション。
自分が何か失敗して落ち込んでいるとき、大抵の人は「どうして私はこうなんだ……」「もっと頑張らなきゃだめだ!」と自分に対して批判的で厳しい意見を向けてしまいます。
しかし、失敗をして落ち込んでいるのが親しい友人だったら__。
「そっか、それは悲しかったね。でも、あなたならきっと次はうまくいくよ」と、批判や責めることなく、前向きな言葉をかけて励ましますよね。
他人には前向きに考える言葉をかけられるのに、自分のことは厳しい言葉で責めてしまう。
この考え方を、親しい友人にかけるような「思いやり」「慈悲」の考えに変えていこうということです。
当日配布された資料では、セルフコンパッションの方法として「慈悲の瞑想」が紹介されていました。
「私が幸せでありますように」「私の悩み苦しみがなくなりますように」「私が安全でありますように」「私が健康でありますように」と、自分を願うことからはじめるそう。
これに慣れてきたら、徐々に対象を恩人、親しい人、知人、嫌いな人、、、と広げていき、生きとし生けるものすべての幸せを願うのだそう。
簡単そうで、なかなか難しそう……。そんなに心清くなれる気がしない(笑)
セルフコンパッション尺度の構成要素
セルフコンパッションの構成要素として、6つの要素があります。
必ずしも相反するとは限りませんが、対になる考えだそうです。
このセルフ・コンパッション尺度は、日本語訳にもされていて、12項目の短縮バージョンが配布資料に載っていました。
ネットにも論文があったので、各1つずつ取り上げてみます。
気になるかたは、セルフ・コンパッション尺度日本語版の作成と信頼性,妥当性の検討をご覧ください。
自分への優しさ
…苦労を経験しているとき、必要とする程度に自分自身をいたわり、やさしくする。
 自分への優しさ
…苦労を経験しているとき、必要とする程度に自分自身をいたわり、やさしくする。
 …自分自身の欠点や不十分なところについて、不満に思っているし、批判的である。
 マインドフルネス
…何か苦痛を感じることが起こったとき、その状況についてバランスのとれた見方をするようにする。
 過剰同一化
…気分が落ち込んだときには、まちがったことすべてについて、くよくよと心配し、こだわる傾向にある。
 共通の人間性
…自分自身に不十分なところがあると感じると、多くの人も不十分であるという気持ちを共有していることを思いだすようにする。
 孤独感
…気分が落ち込んだとき、多くの人がおそらく自分より幸せであるという気持ちになり勝ちである。
先生は、このセルフ・コンパッション尺度について、
「心理テストのように、当てはまる・当ははまらないと〇・×を付けていくだけで終わらず、『そういう考え方もあるのか』という気づきに繋がるので、とても面白い」
と話しておられました。
この内容から、参加者がそれぞれ感じたことや、質問などをディスカッションしていきました。
ディスカッションといっても、ほとんど先生と1対1でのやりとりでしたが。
”ネガティブ思考”をお持ちの方からの質問や、ネガティブ思考から抜け出しポジティブに考えられるようになったといった体験談など聞け、共感することも多くありました。
セルフ・コンパッションを知って気づいたこと
以前の私は、ものの見事に”ネガティブ思考”にどっぷりで、自分を否定しまくり、自分の価値を自分で認めることができず、賞賛の言葉ですら否定的に受け取ってしまうほど、ひん曲がった性格でした(笑)
そして、見事に旦那が”ポジティブ思考”にどっぷりな人間でして、それはもう結婚当社は油と水のように、反発しあっていました。
時間の経過とともに、旦那のポジティブ思考が私のネガティブ思考を中和し始め、気づくと少しずつ考え方が変わっていったのです。
自己批判しまくりだった私が、自分に優しくできるようになり、過剰同一化で0か100かの思考が、「それはそれ、これはこれ」と課題の分離ができるようになったのは、まぎれもなく旦那のおかげです。
そんなことを、勉強会で感じていました。
こんなのろけ話を、さすがにシニア世代に囲まれた一人のアラサー主婦が発言するのは恥ずかしくて控えましたが……(笑)
少し前までは、孤独感でいっぱいで周囲にトゲトゲしていましたが、SNSで同じ子育ての悩みを共有できる仲間がたくさんできてからは、「ひとりじゃないんだ」と感じられるようになり、前向きに子育てに取り組めるようになっていきました。
自己肯定感も自己効力感も皆無だった私が、「最近自分のこと好きかも」と思えるようになったのは、セルフ・コンパッションが高まった結果なのだと思います。
旦那、友人、SNSで繋がってくれた仲間に感謝です!
子育てにも繋がる
私が母たる故、どうしても「子育て」に引っ張られがちではあるのですが、このセルフ・コンパッションは、子育てにもとても大切なことだと感じます。
親自身もそうですし、子どもがこういう考えを身に付けていくことで、幸福度がぐんと上がるでしょう。
日本の「謙遜の美学」はそろそろ手放して、存分に自分や身内のいいところを披露していいと思うのです。
言葉にすることで「自分にはこんなにいいところがたくさんあるのだ」と思えますし、そう感じることを周囲が「素敵だね!」と受け入れることで、それは相乗効果を生みます。
ネガティブより、ポジティブの方がいいことを知っているのに、ネガティブが多数派になると途端に「ポジティブは悪」といった空気感が生まれる。
「謙遜の美学」は、子どもたちを苦しめます。実際に自分も苦しんできました。
だからこそ、もっと胸を張ってセルフ・コンパッションを高めていきたいです。
まずは、自分の考え方の”クセ”を知ることから始まります!ぜひチェックしてみてください!
■ セルフ・コンパッション尺度日本語版の作成と信頼性,妥当性の検討
おまめ